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コラム

 このページは弊社役職員が、保険マーケットに関連したテーマについてお話するページです(定期的に更新予定です)。

コラムNo.3:「保険仲立人をしていてよく頂く質問」

弊社業務に関しましては、毎度ご高配をいただき厚くお礼申し上げます。だいぶ間が空いてしまいましたが、KIBコラム3回目をお送りさせていただきます。今回は、実際の営業現場においてお客さまといろいろやりとりをしているなかで、保険仲立人(保険ブローカー)ならびに保険仲立人の仕事に関して質問の多いテーマについて、弊社シニアアドバイザーの中島から、お答えさせていただきます。お客さまの理解を深めていただく一助となれば幸いです。 なお、わが国の「保険仲立人」という職種は、欧米で「保険ブローカー」と呼ばれているものと良く似ているのですが、厳密に言うと異なるところもあるので、本稿では、両者を区別して使っております(八並)。

(Q1)

保険仲立人の仕事と保険会社の仕事との違いがどうもよく分からないのだが・・・?

(A1)

初回の説明と重なりますが、お客さまが直面している多岐にわたるリスクに対する対応策としては、次の3パターンの(1)から(3)のいずれか、またはその組合せということになろうかと存じます。実際には、限られた時間、情報の中で、選択せざるを得ないケースが大半かと思われますが、このような時にお手伝い申し上げるのが、保険手配決定後の実行、展開のサポートとともに保険仲立人の腕のみせどころと思われます。

一方、保険会社の主たる業務は、以下の「保険化」の青色部分です。自社商品のセールスが、保険会社の本来業務ということになります。もちろん、「リスクの評価」、「第三者への転嫁」についても、サポートを期待できるのでしょうが、保険仲立人のように中立的な立場から提案するというわけには、行かないかもしれません。

リスク対応 3パターン

(1)

お客さまの「リスクの評価」を行います

お客さまが直面する諸々のリスクを洗い出し、リスクごとに、 1.保険化(保険会社または自家保険会社〔キャプテイブ〕に付保)、2.自己負担、3.(保険会社以外の)第三者への転嫁(契約によって第三者にリスクを振る)といった選択肢のメリット・デメリットを分析し、ベストと思われる選択肢を提案いたします。

保険仲立人は、次のような業務をサポートすることになります。

(2) 「保険化」を選択するケース

1.保険会社の選定・・・(要請があればキャプテイブの設立や運営のお手伝いも)

2.保険料の折衝(要望に応じて随意または入札)

3.保険契約締結の手続き

4.保険事故時の保険金請求手続き、リスク情報管理

(3) 「第三者への転嫁」を選択するケース

1.契約上、どのような取り決めにするのがよいか

2.必要に応じ、弁護士ほかと協力し提案

 従来、保険仲立人の仕事は、「保険化」のみと見られることが多かったことも事実ですが、近年では、単なる保険セールス業からリスク総合管理のサポート業へと変身しつつあります。加えて最近では、「リスクの評価」、「第三者への転嫁」単独でも相談をいただくケースが増えてきております。

(Q2)

保険仲立人の収入はどこから来るのか・・・?

(A2) 「保険化」業務については、媒介手数料をいただいております。「海外ではの守」話で恐縮ですが、

欧米では、(大口の保険料の契約では)保険ブローカーはその報酬をお客さま(ご契約者様)と交渉のうえ、お客さまから頂戴しております

これに対し、わが国では、金融庁の「保険会社向けの総合的な監督指針」の中の保険仲立人に関する項で、「保険契約の締結の媒介に関する手数料等はその全額を保険会社に請求するものとする」と規定しており、金額の多寡を問わず、お客さまに請求してはならないことになっております。

 

 となると、保険仲立人は、顧客のためにベストアドバイスを行う(誠実義務)としているが、その報酬は保険会社から受け取るというのでは、保険会社にも頭を下げなければならないことになるしおかしいのではないか、保険仲立人の中立性にも疑問を持たざるを得ない、といった質問につながってきます。しかし、わが国の保険マーケットでは、保険料は、(仲立人や代理店の)手数料を含めたグロスの保険料でしか提示されない仕組みになっているほか、お客さまから要求があった場合、保険仲立人は、自らの手数料を開示しなければならない義務を負っていて、保険仲立人が手数料の多寡で、特定の保険会社に誘導することはできませんので、ご心配には及びません。

 なお「リスクの評価」、「第三者への転嫁」の場合の報酬につきましては、その都度、お客さまと協議して決め、頂戴することになっております。

   

(Q3)

とはいっても、我々(お客さま)の立場から見れば、保険仲立人も保険会社の営業マンも同じような内容でアプローチしてくる。一体、どこがどう違うのか?

(A3)

保険会社の営業担当者がアプローチするときは、所属する保険会社の営業方針に沿って「セールスしたい保険商品」を「社内基準に沿った値段でセールス」することになります。それは、ごくごく自然の成り行きと言えましょう。

 ここでお客さまにとって問題となるのは、必要とする「保険化」対応のための保険が、その保険会社の「セールスしたい保険商品」の品揃えの中にない場合や、品揃えとしてはあったとしても、価格面で予算を超えてしまい、必要な保険を買えないといったような場合かと考えられます。このような状況こそが、保険仲立人がお役に立つ場面と考えられます。

(ベストプロダクツをベストプライスでご提案)

このような場合に、保険仲立人は、これまでアプローチしてきている保険会社だけでなく、時には海外の保険引受者とまで折衝し(注)、「お客さまが必要十分とお考えになられる保険商品」を、「お客さまの予算の範囲に極力納まるよう」仕立てあげることを目指します。 保険仲立人はこのために、国内外保険会社の保険商品、その内容・コストの情報収集・吟味に日夜努めております。

(注)なお、海外の保険会社に直接付保することは、わが国法律上、一定の制限があります。

(保険契約事務の省力化・透明性の確保)

加えて、保険仲立人は、保険契約締結のお手伝いもさせていただきます。ご要望に応じ、

1)

ご希望の付保先に、お客さまに有利な内容となるよう折衝し、保険契約締結に持ち込む

2)

付保手続の透明性を究極まで高めるために入札方式を導入されるケースでは、入札に向けて、お客さまの立場に立ち、専門家として、最大限、誠実にお手伝いをさせていただきます(例えば、ご希望のリスク対応実現のための入札仕様書案の策定、参考価格の調査、入札手続きのお手伝いなど)

等々、いかようにも対応させていただきます。

 もちろん、保険仲立人の仕事は、Q1において説明しましたように、保険化(これがブローカーのコア業務であることは古今東西を問いませんが)だけではなく、自己負担、保険会社以外の第三者への転嫁をも視野に入れつつ、あらゆる可能性を、お客さまの立場から、検討・提案することにあります。これこそが、ブローカーならではの仕事かと思いますがいかがでしょうか。

(保険会社の営業マン)

 ここで、またまた「海外ではの守」話で恐縮です。誤解を恐れず申し上げれば、欧米の保険会社の、その法人をお客さまとして担当する部門に、わが国保険会社のような(本店営業第X部所属といった)、いわゆる営業マンはいません。保険ブローカーが持ち込む種々の案件に対して、保険カバーの内容とその保険料を吟味・諾否を行うアンダーライターが、保険ブローカーと交渉する相手方となります。アンダーライターが、お客さまと、直接、接触することは、原則として、ありません。

となりますと、欧米では、そもそもQ3の質問自体、あり得ない質問ということかもしれません。双方の歴史・ビジネススタイルも異なりますので、軽々にどちらの方式が優れているかは言えませんが、お客さまからご覧になられてどのようにお感じになられるか、機会があればお伺いしたいところです。

(Q4)

(保険会社に30数年勤務、保険仲立人歴5年の筆者に対するご質問で)保険会社と保険仲立人(ブローカー)の両方を経験してきて、どちらが面白いですか?

(A4)

保険会社と保険仲立人は、お客さまにとっては、いわば車の両輪でどちらが欠けても車は走りません。敢えて言えば、保険仲立人は楽観論者で、リスク対応は万一のための備えであって、日常的に、事故はそう起こるものではないと考えている保険仲立人の方が多いのではないでしょうか。

 一方、保険会社は、悲観論者かもしれません。まず、「事故発生は避けられない」という視点からリスク対応をされる方が多いという印象を受けております。 もちろん、どちらが良いという問題ではありません。両者の立場の違いからくるもので、車もアクセルとブレーキがキチンと整備、機能して、安全・快適に走らせることができるのですから・・・。

 率直に申し上げれば、ものごとを楽観的に考える方がより楽しく、健康的ではないかと思われますので、筆者は、保険仲立人の仕事の方が面白いと感じています。もちろん、保険仲立人業も仕事ですから、いつも楽観的、楽しいわけではあり得ませんが・・・。当然、眠れぬ夜もあります。

 例えば、わが国において、保険業界を挙げて初めて取り組むようなプロジェクトをお手伝いする場合などです。お客さまのチームの一員として、国内外の保険会社・再保険者のほか、弁護士・関係官庁などの関係先と折衝を経て、四苦八苦しながらも、保険仲立人の仕事を成し遂げられたときには、保険仲立人の醍醐味を味わい、まさに面白いの一言に尽きます。

保険仲立人としてのこれからの楽しみは、筆者の目の黒いうちに、筆者参加のプロジェクトにおいて、

世界で初めて建造された大深度海洋掘削船「ちきゅう」が、海底地震メカニズムを探り、懸念される巨大海底地震の予知、地底深く生息しているかも知れない未知の生物発見などにより、わが国にノーベル賞がもたらされること、

  ちきゅう

次に、本邦初お目見えの三次元物理探査船「資源」が、わが国のエネルギーを、むこう 100年以上まかなえるエネルギー資源(海底のメタンハイドレード・・・シャーベット状のメタンガス)の探査・商業化に貢献すること。正夢となれば、次世代の人々が、二度と「油の一滴は血の一滴」と叫ばなくてすむようになること(時代がかっていますが)、

・・・・・・が実現することです。これを見るまでは、呆けるわけにはいきません。

(文責 シニアアドバイザー中島 隆博)

(なお、以上は、あくまで筆者個人の考え方で弊社を代表するものではありません。この点、お断 りさせていただくと同時にご理解をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。)


 

 
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